書籍:食用植物學

【食用植物學】第三版
共著
藥學博士 服部 健三
藥學士 近藤 信
発行:昭和10年(1935年)11月8日

単なる食材の紹介ではなく資源植物としての
利用価値と数字をもとに成分を分析し、
食用・薬用・工業用まで視野に入れて
研究されていた資料です。
下記はキク科植物の菊芋についての
記載を全て引用しました。

(引用箇所:P29)

41.きくいも 菊芋
(Helianthus tuberosus L.)

植物
莖の高さ1.5~2.0米若くは2.1~2.4米に
達す。葉は下部のもの對生、上部のもの
互生し、長橢圓形にして、緣邊微鋸齒を
有し大なる脈を具ふ。地下に“さといも”
に似たる塊莖を有す。

産地、分布
南米の原産なれども、山林又は路傍に
自生す。時に庭園に培養して觀賞に
供する事あり。

食用方法
地下にある塊莖は食用に供せらる。
馬鈴薯の如く皮を去り細切したる
ものを煮て食すれば其味遙に馬鈴薯
より佳味なり。この芋の塊莖には
表面紫色のものと白色のものとあり。
白色の方美味なり。外國にては冬の
野菜として珍重せらる。

一般成分
可食部78.6
水分82.66
總窒素0.394
蛋白質(N×6.25)2.46
脂肪0・07
含水炭素12.46
繊維0・64
無機質1.53
(水溶性1.12、不溶性0.41)
アルカリ價11.7
(曹達及カリに依る分9.1、
石灰及苦土に依る分2.6)
燐酸(P₂O₅)0.14
石灰(CaO)0.009
鐵(FeO)0.006
食鹽0.077
溫量62カロリー。

100カロリーに相當する菊芋の瓦量
161.29
<100カロリー中>
水分133.32
蛋白質3.97
脂肪0.11
含水炭素20.10
繊維1.03
無機質2.47

100カロリー中に
含有せらるる成分の
カロリー比は下の如し。
蛋白質16.28
脂肪1.02
含水炭素82.41。
特殊成分
菊芋中にはイヌリンを含有す。
参考文献:菊芋より西精の製造に就て
武富昇、四屋文彦:工化29、501
(大正15年、1926)
又次の如き特許あり。菊芋塊根を冷凍せる
後適當に細断し、之を50℃以上に於て
乾燥せしめ、以て優良なる果糖製造原料
其他酒精、ブタノール、アセトン製造原料
たらしむ。
(佐藤勘之助、特許公告No.2848、
昭和9年7月20日)。
(1)新撰日本食品成分總攬

昭和初期頃菊芋はじゃがいもより美味と
評価されていた時期だったことに驚き!
さらに食用だけでなく工業原料としても
注目されていました📚

現在は機能性・健康野菜として
評価され、特にイヌリンに着目して
いた点も先見的🎯
栄養価は低カロリーで繊維質も多く、
当時から冬の野菜として珍重とあり
今でいう「スーパーフード」的
イメージでしょうか🧐
美味しさについては白色の塊茎を
評価されてますね♪
今現在も赤派?白派?
なんて話題にすることも☺️
菊芋に関する内容は以上ですが
どの植物も数値的な内容が多く
研究の熱心さが伝わってきます✨

ごきげんよう👋

※出典閲覧
「味の素食の文化センター」

日本菊芋協会
キクイモニスト
菊子/犬凛
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