キクイモの有効成分をムダなく摂取するには?

雑誌のご紹介
【現代農業】2023年11月号
引用箇所(P216~P217)
佐賀大学:松本雄一氏
~キクイモの有効成分を
ムダなく摂取するには?~
【イヌリンは水溶性食物繊維】
機能性野菜として注目されるキクイモ。
その特徴としてイヌリンが豊富に
含まれることが挙げられます。キク
イモに含まれるイヌリンの量は生イモ
100g当たりでは14gほどで、
ゴボウの2倍以上です(図1)。
キクイモを乾燥させて作ったチップや
パウダーになると100g当たり50g
ほどの高含有になります。
イヌリンは水溶性の食物繊維で、
健康な人の場合、1日当たり1~10g
ほど摂取することで腸内細菌が活性化し、
便通が改善したり、インスリンなどの
ホルモン分泌の改善により食後血糖値の
上昇が抑えられたりします。肥満や生活
習慣病が気になる方に適した食材です。
【皮は剥がずに使う】
キクイモでイヌリンを摂取しようとする
場合、まず皮を剥くか剥かないか悩む方
もいるかと思います。剥くのは手間ですし、
皮にも中身と同程度のイヌリンが含まれて
いるので基本的には剥かずに食べてください。
皮は薄いので食感はほとんど気にならず、
煮物などでは煮崩れを防ぐことにも役立ち
ます。土地付きのイモを水洗いすると
イヌリンが流れ出ないか気にされる方も
いますが、洗う程度の時間では影響は
ほとんどありません。洗えばサラダなど
にして生で食べられるので、キクイモに
含まれるイヌリンをそのまま摂取できます。
【ゆでてもイヌリンは十分残る】
味噌汁や煮物などのゆで調理でもホクホク
した食感でおいしく食べられます。
10分ほど煮込んだ場合には3割ほどの
イヌリンが煮汁に溶出してしまいますが、
それでもイモには十分多くのイヌリンが
残っています(図2)。また、煮汁に出た
イヌリンは分解されているわけではあり
ませんので、味噌汁のように汁ごと
食べる分には、もともとのイヌリンを
そのまま摂取できます。
【高温調理でも大丈夫、漬物は注意】
イヌリンは熱にも強いので、炒め物や
揚げ物などの加熱調理でも
「200℃10分」(図3)
でも2割ほどしか減少しません。
きんぴらや天ぷらなどで美味しく
食べられます。市販されている
キクイモ焙煎茶なども、色が変わる
ほど加熱されていますが十分な
イヌリンが含まれています。
焙煎茶では商品にもよりますが
ティーバッグ1包から0.5g~1g
ほどのイヌリンを抽出できますので、
1日1~3杯の飲用でも健康効果を
期待できます。
キクイモパウダーも手軽な摂取方法の
一つです。様々な料理に小さじ1杯
(5g)のパウダーを振りかけるだけで、
2gほどのイヌリンを摂取することが
できます。パンやクッキーなどを作る
際に混ぜるのもお手軽です。
うどんやパスタなどの麺に練り込んで
使うこともできます。麺の場合でも
10分間のゆで調理でのイヌリンの
溶出量は2割程度のため、気にする
ほどの量ではありません。このように、
キクイモではさまざまな料理により
手軽にイヌリンを摂取することが
できます。
ただ、漬物については塩漬けをする
場合に水分と一緒にイヌリンも溶出
してしまい、イモに残る量はわずか
です。さらに漬け液の中にも残りの
イヌリンが溶出し、漬け液が酸性の
場合は分解も進みます。このため
漬物の中にはイヌリンはほとんど残り
ません。とはいっても、食感がよく、
おいしく食べることはできますので、
一般の食品としてはおすすめです。
せっかく食べるなら有効成分を
しっかり取れるといいですね!
調理別にとてもわかりやすく
記載されています☺️
ごきげんよう👋
日本菊芋協会
キクイモニスト
菊子/犬凛
Topinambour
Artichoke
