飯と漬物甞物三百種

【飯と漬物甞物三百種】
著者:宮田 孝次郎
発行:昭和3年(1928年)10月1日
著者・宮田孝次郎氏は幼少期からずっと
食事の手伝いをし、漬物も漬けさせられて
いたがいつのまにか趣味にかわっていき、
まわりの友人や知人に作り方を伝えていたら
好評で、是非書物にして一般家庭でも作れる
参考書になればという思いから
出版に至ったとのこと📚
300種類にも及ぶレシピの数々が掲載
されており、手間ひま惜しまず丁寧な
暮らしと先人たちの知恵が盛り沢山!
こちらには菊芋の漬物がいくつか紹介
されてましたので引用します。
(引用箇所:P154)
六六 菊芋の粕漬
大きさの揃ひたるものを選みましてよく
洗ひ水を切り、並口に鹽漬にして水が
上りましたらば、出して水を切り半日程
陽に乾(ほ)し、鹽を加へたる粕又は
抜き粕に漬け、一ケ月程經て味淋を加へ
ました粕に漬け替え、四五ケ月後に
用ひます。
又洗ひました芋の水を切り日に乾し、
皺のよる様になりましたらば、直ちに
粕に漬け込むのも宜しう御座います。
(引用箇所:P169)
九八 菊芋の酢漬
菊芋をよく洗ひ一分位の輪切になし
(適宜に切るもよろし)陽に一日位
乾し之を酢三合、砂糖六十匁(め)位の
酢に漬け込みます、直ちに三杯酢に漬け
込むも宜しう御座います、然し此場合
には鹽にて揉み後入るヽ方がよいので
あります。
(引用箇所:P178)
一二二 菊芋の醤油漬
菊芋を薄く小切にし、半日位陽に乾し、
之れを醤油に少量の味淋を加へて
煮冷し漬けます、一晝夜位で頂かれます。
(引用箇所:P186)
一三四 菊芋の芥子漬
芋をよく洗ひ陽に乾し、皺のよる位に
なりました時鹽壓(おし)になし、强き
壓を置き三四日にて取り出し、水氣を
去り細かに切り、茄子の様に
漬け込みます。(ニ法又は四法)
粕漬けは4~5ケ月待ち!とても
待ち遠しいですがうま味を育てるための
時間と思って楽しみに待つことが大切かな☺️
近年菊芋が機能性・健康野菜として注目
されており漬物をはじめ様々な加工品も
増えてきましたが、昭和初期にも糠漬け
だけでなく多彩な菊芋漬があり、菊芋の
味が広がってたんですね💫
ごきげんよう👋
※出典閲覧
「味の素食の文化センター」
日本菊芋協会
キクイモニスト
菊子/犬凛
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