100年前の実践者!菊芋療法

【糧食研究】
著者:財圑法人 糧食研究會
(東京帝國大學農學部構内)
発行:大正13年(1924年)8月
菊芋の栽培及需要の獎勵 P44~P48
本會員陸軍少將 石川潔太
(引用箇所:P47~48)
〇糖尿病者の菊芋療法
私は往年菊芋の奈良漬を岡山市主催の教育
展覽會に出品したるに岡山専門醫學校長
筒井博士が之を見て、菊芋は糖尿病者の
食料として最も適當なるものであるが未だ
甞て其實物を見たるとなしと話されしかば
私は其菊芋を送りたるに同博士は其當時
建築中であつた岡山醫科大學校内に移植
されたといふ。又嘗て鑵詰に製して東京の
佐々病院に携帯して佐々博士に此鑵詰に
爲したるものが果して糖尿病者に効力ある
や否の試驗に及ばない、既に舶來品が日本
にも輸入されて居るのであるが、それは
餘り高價であつて用ふることは困難である
と、併し此菊芋は白米飯の七倍食するも
患者に支障はないと話された。依て私は
明治屋に行き其鑵詰を購買せるに一個
實に二圓五十錢であつた。食品としては
随分高價であるが蓋し西洋料理として缺
くべからざるものとされて居るからであ
らう。之を築地精養軒に就て聞くに東京に
於て一流の料理屋でなければ餘り使用し
ないが横濱に於ては可なり使用して居ると
いふ事である、佛國歸りの人に聞くに
佛國に於ては使用して居るが其他の國では
尠ないといふて居る。而して其購買したる
鑵詰を試食せるに私の製造せしものと其味
に於ては大差なかりしも其形は芋大にして
之を輪切りにして皮を剥ぎしもの約八枚程
あつた私の鑵詰は芋を原形の儘にて個々に
入れたのであつて其價も亦安く三十錢位で
ある。今年は培養に注意して舶來品に
劣らぬものを作つて見たいと思ふて居るが
多分出來ると信ずるのである。
〇患者の實驗
私が菊芋を提供して實際に菊芋療法を施行
した實驗者の報告では、白米飯なれば九匁
食するも既に糖が降るのに菊芋なれば
百三十匁食するも決して糖が降らない、
以來菊芋を栽培し之を食して健康を保つて
居るといふて居る。
100年前の実践者!
科学的根拠がまだまだ少ない時代ですが
菊芋は糖尿病患者に適しているとされ、
たくさん食べても血糖への影響がないと
いう実験も施行されていますね💫
当時西洋からの輸入品はとても高価だった
ことも貴重な野菜であることがわかります🧐
岡山県で主催された展覧会を機に各教育
機関や医療機関へと菊芋が広まっていく
のも印象的です!
「培養に注意して舶來品に
劣らぬものを作つて見たいと
思ふて居るが多分出來ると信ずる」
と言われており、西洋からの輸入品は
非常に高価だったようですがそれに劣らぬ
ように作りたいといった熱い意気込みが
感じられました✨
ごきげんよう👋
※出典閲覧
「味の素食の文化センター」
日本菊芋協会
キクイモニスト
菊子/犬凛
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