レシピ⑦菊芋の風呂炊き三種

【病人用食物料理法】(榮養理科)
著者:服部 茂一
発行:大正9年(1920年)10月12日

⑦菊芋レシピ掲載
(引用箇所:P345)

「菊芋の風呂炊き三種」
材料
1、菊芋
2、風呂炊き冬瓜の味噌三種
3、サツカリン

1、菊芋は皮を剥いて適宜の大きさに切り軟かく
成る迄茹きお皿に盛り一七五頁の所に有る
冬瓜の風呂炊き味噌の内何れかをかけて
温い内に頂きますと大變美味しい物で
有りますが砂糖を用ひて有りますので砂糖
丈けを抜いてサツカリンをほんの少量用ひます。


「一抱へあれど柳は柳かな」

※一七五頁箇所の味噌三種引用
◎胡麻味噌
胡麻一合を熔烙(ほうろく)にて焦げ付かぬ
様に炒り擂鉢に入れて良くく(よく)擂り潰し
味噌五十目と砂糖大匙一杯及び出汁大匙四杯位を
加へて尙良く擂り混ぜ小鍋に取り火にかけ普通の
魚田位の固さにして用ひます。

魚田とは?
魚の田楽、魚にみそをつけて
田楽風に仕上げて食べる料理のこと

◎柚子味噌
柚子二個は上の黄色い皮丈けを剥き取り微塵に
切って擂鉢に入れ残りの部分も擂鉢の中に
卸金にて卸し込み味噌五十目砂糖大匙一杯
出汁大匙三杯位を加へて擂り混ぜ小鍋に取り火に
かけ胡麻味噌位の固さにして用ひます。

◎鶏味噌
鶏の挽肉四十目を求め俎板の上にてたたき
小鍋に入れ味醂大匙五杯を加へてぼろく(ぼろ)
に成しざつと火を通して置きます次に大匙二杯の
白胡麻を熔烙(ほうろく)にて煎り擂鉢に入れて
良くく(よく)擂り潰し白味噌二十目赤味噌十五
匁(もんめ)を加へ尙良く擂り潰し煮切味醂大匙
二杯出汁大匙五杯を加へ前に煮て置いた鶏肉を
入れて擂り交ぜ鍋にうつし火にかけ飯杓子で
掻き混ぜ乍ら前の固さ位にして温い内に進めます

匁とは?
1 匁 は 3.75 g (明治以降)のこと
江戸時代の銀の通貨単位
匁は目とも略されていたそうです

こちらにも詩が記載されていました💫
菊芋を使った優しい料理のあとに
誰か大切な家族や人への思いを重ね
料理で心に寄り添って
いたのでしょうか….✨

※出典閲覧
「味の素食の文化センター」

ごきげんよう👋

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